リーダーシップ力【2】リーダーは「お母さん部分」が大切なわけ

こんにちは。税理士の堀です。

 

前回、リーダーシップは、お父さん部分3割お母さん部分7割がベスト

というお話をしました。

【関連記事】リーダーシップ力【1】リーダーシップには2つの要素がある

 

今回は、リーダーはなぜお母さん部分の割合が高い必要があるのかについて、

もう少し詳しくお伝えしたいと思います。

 

お父さん部分に偏っている、つまり

仕事上の意欲は強いのに、メンバーに対する人間的な配慮が欠けているリーダーは、

仕事上の目的が達成されなかったり仕事が遅れたりすると

うるさくどなって仕事を強制することが多いんです。

こうしたリーダーは、部下が仕事でミスをすると、その人を個人攻撃することも多いです。

目的達成を重視しているので、足を引っ張るような行為は許せないという気持ちになるんですよね。

 

つまり、お父さん部分ばかりのリーダーは、

人間的な温かみに欠け、メンバーひとりひとりに気配りもしないのに、

仕事上の圧力は人一倍かけてきます。

そういうリーダーの下にいると、メンバーは精神状態が不安定になり、

ストレスがたまります。

 

大脳生理学の分野で、精神的に不安定になると通常より疲れやすいということが

わかってきています。

ノイローゼやうつ病といった心の病になると体力が著しく低下するのは、

その現れなんですよね。

また、精神的なストレスが高まると、自発性が失われるばかりか

よい知恵、よいアイデアも出せなくなることがわかってきています。

 

ということは、お父さん部分ばかりのリーダーシップをとっていると、

人間関係が悪くなって対立が生じるだけではなく、

メンバーの自発性や仕事に対する意欲が失われて

仕事に打ち込めなくなってしまうんです。

 

そうなると仕事が面白くなくなってきたり、人間不信になったりして、

会社を辞める人がでてきます。

しかも、そういう時には優秀な人からやめていくことが多いんです。

素質が高い人や仕事ができる人が先にやめていったあと、

仕方なく新人をいれて頭数を揃えたところで、

レベルは低いままなので仕事が計画どおりに進まなくなっていきます。

 

それに加えて、従業員さんが人間不信になると、お客さんとの関係も

よくすることができなくなっていきます。

会社内部の人間関係が悪くなると、従業員さんがお客さんと接する時に

必ずそれが表れてきてしまうんです。

お店の店員さんと話していて、「居心地悪いな」「この店(会社)、大丈夫かな?」

と思うことってありませんか?

これは、社内の人間関係の悪さが、店員さんの態度や物言いから

お客であるあなたにも伝わってしまっている状態なんですよね。

 

中小企業というのは、お客さんから好かれ、気に入られる必要があります。

お客さんが思っている以上の気配りと精神的なサービスが不可欠です。

しかし社内でもめていたら、こういうことができるはずがありません。

結果、お客さんの数は増えず、利益が増えないので、経営がうまくいかなくなってしまいます。

特に販売業やサービス業では、はっきりとそれが現れてきます。

 

こういう理由から、

仕事の腕はたつもののメンバーへの配慮に欠ける社長の経営する会社の業績は、

人間関係を重視する社長の会社よりも悪くなっていく傾向があります。

お父さん部分ばかりだと、経営はうまくいかないんです。

 

クライアントの成功している社長さんたちを見ていると、

本当に従業員さんに気配りされているなとよく感じます。

お母さん部分を大切にされているし、実際それで結果を出されているんですね。

 

だからこそ、これをみておられる中小企業の社長さんは、

リーダーシップのお父さん部分は3割お母さん部分は7割

心がけて経営をしていただければと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身、大阪府立大学卒。一般企業勤務後、父親が経営する会社に後継者候補として転職するも、父親が税理士のアドバイスに従って経営改善をした結果、状況がみるみる悪化していくのを目の当たりにし、会社の解散を提案。 経営税理士が経営に関しては素人と知って愕然とし、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートできる税理士を目指し、税理士資格を取得。 その後、税理士として多くの経営者と付き合う中で、「成功する社長の考え方」を知る。 また、ランチェスター経営の第一人者、竹田陽一氏に師事。「大企業にできない中小企業ならではの戦略」を学ぶ。 現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉に、クライアントの売り上げ向上と税金対策に携わっている。