こんにちは。税理士の堀です。
世の中には、「無駄な経費を使っているから、削減したほうがいい」と
社長にアドバイスする税理士がたくさんいます。
社長の立場からしたら、会計のプロである税理士に
「この経費をもっと減らしたほうがいいですよ」とすすめられたら、
そうしたほうがいいんだろうなと思いますよね。
でも、それって本当でしょうか?
今日は、多くの税理士のいう「無駄な経費」とは何を指すのかについて
書いてみたいと思います。
さて、少し考えてみてほしいんですが、
経費のなかで「無駄なもの」「無駄じゃないもの」は
どうやって見分けたらいいんでしょうか?
断言しますけど、
決算書の数字だけを見ても、どの経費が無駄かなんてわかりません。
「通信費が多いな」「消耗品費は少ないな」とか、そういのはわかっても、
それらがどのように売上につながっているかということまでは読み取れない。
では、経費削減を勧める税理士は
なにをもって「この経費は無駄」と判断するかというと、
多くの場合、「業界平均との差」なんです。
たとえば、自社が、売上に対して交際費が8%かかっているとします。
一方、業界平均は5%だったとする。
すると、多くの税理士は
「この差の3%は無駄だから減らしましょう」と言うんです。
でも、それはおかしいですよね。
交際費がどんな場面で、どんな相手に、どんなふうに使われているのか
それが売上にどう影響しているかなんて
数字だけ見たってわからないんですから。
同じ現場に入って、しっかり見て考えないと
その経費が無駄かどうか判断なんてできないですよ。
私に言わせると、逆に
この業界平均との差がその会社らしさ、独自のカラーです。
同業他社との違いなんです。
これを業界平均にあわせて削減したら、
よくある平凡な会社になるだけ。
モノもサービスもあふれているいまの時代、
平凡なだけの会社は、お客さんに選んでもらえません。
その経費が無駄かどうかを判断できるのは、社長しかいません。
もし誰かが、数字だけを見て「この経費は無駄だから減らせ」と言ってきたら
この話をちょっと思い出してもらえたらなと思います。
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