会社の仕組みづくり【3】思いを共有する

こんにちは。税理士の堀です。

 

会社を発展させるには、社長がすべてをするのではなく

従業員さんと分業することが必要だとお話ししてきました。

今回は、その分業の仕組みをつくるうえで大切なことについて書いていきますね。

 

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社長が担当していた仕事を手放し、従業員さんにまかせるとき

できていなければならないのは、

社長の思いを社内でしっかりと共有することです。

 

社長がどんな思いで経営しているのか

どんな目的があってその仕事をしているのか

しっかりと従業員さんに伝えてください。

 

それができていないと、お客さんが離れていく結果を招くかもしれません。

 

最近、そのことを実感する出来事がありました。

つい先日のことですが、インフルエンザの予防接種を受けたんです。

ふだん行かない病院でしたが、近所だからと、嫁さんが気を利かせて予約してくれたんです。

受付で問診票を書いたら、体温計を渡されました。

で、測って、返そうとしたら、受付の人が「ここに置いてください」って

汚れたコイントレーを差し出したんです。

コイントレー、わかりますよね。

レジでお金の受け渡しをするときに使う、プラスチックの入れ物です。

受付の人は、その汚れたコイントレーに体温計をのせ、

そのまま運んでいきました。

 

私は、正直、ちょっと傷つきました。

自分が使った体温計が、使い古したコイントレーにのせられて、

まるで汚いものみたいに扱われたからです。

そのまま、看護師さんに注射を打ってもらって帰ったんですけど、

「ここにはもう来たくないな」と思いました。

 

誤解のないようにお伝えすると、

体温計をトレーで受け取ったこと自体がいけないというわけではないんです。

もしそれが、清潔な医療用のトレーだったなら、なにも気にならなかったと思います。

 

つまり、重要なのは、

来院者がどう感じるかということに配慮がないこと。

そして、実際私が「もう行きたくない」と思っていることなんです。

一度も院長に会うことなく、です。

 

もしかしたら院長は腕の確かなお医者さんで

人柄も良く、立派な志をもっているのかもしれません。

でもそれを知る以前に、「もう行かない」と私は判断したわけです。

 

来院者(私)を「お客さん」に、院長を「社長」に置き換えて考えてみてください。

ちょっとこわいなと思いませんか?

従業員さんの対応によって、社長がまったく知らない間に

お客さんを失っているんです。

 

こんなことにならないためには、

従業員さんが社長の思いや考えを

深く理解している必要があります。

 

もちろん、思いを伝えるのは楽ではありません。

一度だけでなく、折りに触れ、何度も伝える必要があります。

また、社長自身が、口先ではなく腹の底からそう考え行動していなければ、

従業員さんにはわかってもらえません。

 

さきほどの病院の例で言うと、

受付の人には、院長の考えが伝わっていなかったんじゃないかと思います。

あるいは、院長自身が配慮に欠ける人で

それがスタッフにも伝わっているのかもしれませんが、

どちらにしても残念なことだと思います。

 

業の仕組みをつくるうえで大切なのは、

社長の思いを社内でしっかりと共有し、

従業員さんを社長の分身といえるような状態までもっていくことです。

 

社長の分身となった従業員さんは、

「社長ならどうするか」という視点を持って行動することができるので

社長にかわって様々な役割を果たしてくれるようになります。

 

面倒くさがらないで、従業員さんに思いを伝えてみてくださいね。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身、大阪府立大学卒。一般企業勤務後、父親が経営する会社に後継者候補として転職するも、父親が税理士のアドバイスに従って経営改善をした結果、状況がみるみる悪化していくのを目の当たりにし、会社の解散を提案。 経営税理士が経営に関しては素人と知って愕然とし、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートできる税理士を目指し、税理士資格を取得。 その後、税理士として多くの経営者と付き合う中で、「成功する社長の考え方」を知る。 また、ランチェスター経営の第一人者、竹田陽一氏に師事。「大企業にできない中小企業ならではの戦略」を学ぶ。 現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉に、クライアントの売り上げ向上と税金対策に携わっている。