こんにちは。税理士の堀です。
社長が社員の意見をきくことは、中小企業を経営するうえでとても大切です。
私自身、「どうする?」「どう思う?」と頻繁にスタッフに意見をきいています。
なぜかというと、社長が社員の意見をよく聞くことで、会社しての一体感が高まるからです。
そうすると、社員同士が部門を越えて協力できるようになり、
会社全体の目標を達成しやすくなります。
中小企業の社長さんには、自分の考えを重視して社員の意見をきかない
ワンマンタイプの方もよくおられます。
でもそれは、社長自身によほどの能力とカリスマ性がなければ、
うまくいかないことが多いのではないかと思います。
社長が社員の意見をきかないと、
社員は会社全体のために協力しようという気持ちが薄くなります。
すると、自分に直接関係のあることや、
自分や自分の所属部署の利益になることにしか
興味を示さなくなっていきます。
それでは、会社はうまくいきません。
このことを、進学塾に例えて考えてみますね。
大学受験を控えたAくんという生徒がいます。
Aくんは、数学が得意ですが、英語が大の苦手です。
もし、塾全体がまとまっていて、講師同士が協力的なら、
Aくんの受験を成功させるためにいろんな手が打てます。
数学講師
「Aくんは数学はできているから、宿題を減らします。
そのぶんを英語の勉強にあてましょう」
英語講師
「ありがとうございます!Aくんが合格できるように、私も一生懸命やります!」
Aくんの合格という大きな目標のために、講師同士が一致団結して頑張れます。
ところが、塾にまとまりがなく、講師同士が非協力的ならどうなるでしょう?
数学講師
「Aくんは数学はできているのに、英語に足を引っ張られている!
あなたの教え方が悪いせいですよ!なんとかしてください!」
英語講師
「私は一生懸命やっています!
Aくんはもともと数学が得意なだけで、あなたの手柄じゃないでしょう!」
塾全体に一体感がないせいで、講師たちはAくんの合格よりも
責任の押し付け合いに夢中になっています。
これでは、Aくんは合格できないかもしれませんよね。
残念なことに、多くの会社で、この塾と同じことが起こっているんです。
社員は、社長に意見をきかれることで信頼されていると感じ、
会社に貢献しているという気持ちを抱きます。
そうすると、もっと役に立とうと一生懸命努力するようになるし、
会社に対して協力的になり、部門を越えて力を合わせることができるようになります。
会社全体が、うまく回りだすのです。
ワンマン経営は、作れば売れた昭和のころはよかったのかもしれませんが、
ものがあふれている今の時代には適さないように思います。
今の時代は、社員さんの意見をきいて、社長と社員、そして社員同士が
力を合わせてお客さんを喜ばせていくことが大切ではないでしょうか。